日本公認会計士協会より「会計制度委員会報告第7号『連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針』、同第9号『持分法会計に関する実務指針』、同第4号『外貨建取引等の会計処理に関する実務指針』、同第14号『金融商品会計に関する実務指針』及び『金融商品会計に関するQ&A』の改正について(公開草案)」が公表されました。
日本公認会計士協会(会計制度委員会)より、平成20年12月に公表された企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」等に対応するために、以下の会計制度委員会報告等の見直しが行われ公開草案が公表されました。パブリックコメントは平成21年5月18日(月)までとなっています。
(1)会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」
(2)同第9号「持分法会計に関する実務指針」
(3)同第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
(4)同第14号「金融商品会計に関する実務指針」
(5)金融商品会計に関するQ&A
<改正の概要>
① 段階取得の会計処理への対応
連結財務諸表上の投資原価は、支配獲得日の時価により算定される。そのため、段階取得によりその他有価証券から子会社株式になった場合、支配を獲得するに至った個々の取引ごとの原価の合計額との差額は、当期の段階取得における損益として処理する。また、関連会社から子会社になった場合、個別財務諸表上の投資原価にそれまで計上された持分法による投資評価額を加減した額との差額は、当期の段階取得における損益として処理する。
② 在外子会社等ののれん及びのれん償却額の換算の見直し
親会社が在外子会社(財務諸表項目が外国通貨表示)を連結する場合、のれんを原則として支配獲得時の前後いずれかの決算日(みなし取得日)に当該外国通貨で把握し、決算時の為替相場により換算する。また、当該外国通貨で把握されたのれんの当期償却額については、原則として在外子会社の会計期間に基づく期中平均相場により他の費用と同様に換算する。したがって、為替換算調整勘定はのれんの期末残高とのれん償却額の両方の換算から発生することになる。なお、負ののれんは外国通貨で把握するが、その処理額は取得時又は発生時の為替相場で換算するために為替換算調整勘定は発生しない。
また、在外持分法適用会社の取得により生じたのれんは、当該在外持分法適用会社の財務諸表項目が外国通貨で表示されている場合には、当該外国通貨で把握し決算日の為替相場で換算される。当該外国通貨で把握されたのれんの当期償却額については、当該在外持分法適用会社の他の費用と同様に期中平均相場により換算する。
③ 企業結合において、のれん及び負ののれんが生じる場合の取扱いを整理
複数の子会社を有する持株会社を取得した場合のように、一回の株式取得において生じたのれん又は負ののれん(純額)については、事業報告が行われる単位ごとに算定し処理することがある。
④負ののれんの会計処理が変更されたことへの対応
負ののれんが生じると見込まれる場合には、まず、すべての認識可能資産及び負債が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直し、それでもなお取得原価が受け入れた資産及び引受けた負債に配分された純額を下回り、負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する。
⑤部分時価評価法が廃止されたことへの対応
⑥企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に定めのない会計処理及び開示は同第21号「企業結合に関する会計基準」等の定めに従って会計処理開示することが同第22号で明らかにされたことへの対応
連結財務諸表上、暫定的な会計処理を適用する場合、取得原価の配分は、企業結合日以降1年以内に行われなければならないが、企業結合日以降の決算において、配分が完了していなかったときは、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行い、その後追加的に入手した情報等に基づき配分額を確定させることとなる。
⑦みなし取得日の取扱いの変更への対応とみなし取得日の取扱いの明確化
連結会計基準では、支配獲得日、株式取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの決算日に支配の獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができるとされている。この場合の決算日には四半期決算日又は中間決算日が含まれる。ただし、支配を獲得したとみなした日は、企業結合の主要条件が合意されて公表された日以降としなければならない。ただし、連結会計基準が適用される組織再編で、連結損益計算書に与える影響が乏しい場合には、主要条件が合意されて公表された日よりも前に支配を獲得したとみなした日を設定して処理することができる。
資本連結手続において相殺消去される親会社の投資額は、支配獲得日の時価による。なお、支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合に、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理するときには、支配獲得日は、当該決算日をいうものとする。
⑧のれんの償却開始時期の明確化
のれんは、その効果の発現する期間にわたって償却し、投資の実態を適切に反映させる必要があることから、のれんの償却開始時期は、原則として、支配獲得日からであり、通常、それは子会社の損益計算書が連結される期間と一致する。ただし、子会社の決算日と連結決算日とが異なり、その差異が3ヶ月を超えない場合には、子会社の決算日現在の財務諸表に基づき連結決算を行うことができるとされていたり、みなし取得日が認められていたりすることから、支配獲得日と子会社の損益計算書が連結される期間が一致しないことがある。この場合には、のれんの償却開始時期は、子会社の損益計算書が連結される期間に合わせて決定することとする。
以上